消炎鎮痛剤「ロキソニン」大衆薬に転?

【くらしナビ】女性のつらい痛み　向き合うきっかけ

　月経周期に伴って起こる頭や腹部などの痛みを、女性なら誰もが経験するものだからと我慢して過ごしていませんか？　解熱鎮痛剤としては２６年ぶりに、処方薬からのスイッチＯＴＣ薬が今月から市販された。男性と比べて痛みに強いといわれがちな女性だが、身体の痛みに耳を傾けて生活の質を向上 Perfect World rmt
させることを考えてみてもいいのではないだろうか。（日野稚子）

　２１日に第一三共ヘルスケアが発売した「ロキソニンＳ」は、医師が処方する消炎鎮痛剤の中でトップシェアを誇る「ロキソニン」を大衆薬へ切り替えたものだ。ロキソニンは多くの診療科で使われ、外科や歯科では手術後に、整形外科では慢性リュウマチなどの関節痛に、内科ではのどの
痛みなどに処方されている。

　「婦人科で処方してもらっているが、仕事をしているので病院に行くのは大変だった。生理の時期に手元のロキソニンが切れると生活に支障が出るので、ドラッグストアで買えるのはすごくうれしい」と話すのは、都内に住む女性（３４）。学生時代から月経時に痛みを感じていたが、就職後は腹部や腰の激しい痛みに襲われる
ようになって、鎮痛剤無しでは寝ることもままならなくなった。「鎮痛剤は使いすぎると効かなくなると思っていたけど、そんなことはないといわれて１０年以上、処方薬を飲んでいる」と言う。

　月経時の痛みは、子宮内膜が剥がれる際に産生される物質「プロスタグランジン」によるものだ。プロスタグランジンは、発熱や炎症、痛みを引き起こす物質で
もあるため、生理痛が起きてしまう。

　◆あきらめないで

　ウィミンズ?ウェルネス銀座クリニックの対馬ルリ子医師は「月経痛を、仕方がない、母親も同じだったから体質だといわれ、我慢したりあきらめている女性は多い。でも、痛みは人を消耗させて免疫力を下げるだけでなく、精神的にも落ち込ませるなどの影響を与え、生活の質も落として
しまう」と指摘する。痛みを我慢し続ければ、慢性化し、痛みがより強い痛みを呼ぶようになることもある。「女性は自分の健康度を上げるためにも、痛みを取り除くことに真剣に向き合うべきだ」（対馬医師）

　対馬医師によると、女性特有の痛みは多く、月経周期にかかわるものでは生理痛のほか、月経前症候群の腰痛?腹痛?乳房痛、月経前後の偏頭痛も
ある。また、女性ホルモンの変動で関節痛を起こす人もいる。

　◆病気のサインかも…

　痛みが出やすいとなれば市販薬で手軽に対応したいところだが、痛みが病気のサインの場合もある。ひどい生理痛と思っていたら子宮筋腫や子宮内膜症が原因で、根治治療には手遅れだったことも。「なぜもっと早く来てくれなかったのかと悲しい思いをしたこ
ともある。痛みの原因を探れば要治療か、鎮痛剤で対処していくだけでいいのか分かる。最近は内膜症や筋腫になる年齢が下がっているので、鎮痛剤を手放せないなら、一度は婦人科を受診してほしい」（対馬医師）。

　スイッチＯＴＣ化承認を受けたロキソニンＳは、１錠当たりの薬効成分量は処方薬と同量となった。第一三共ヘルスケアは「頭痛や生理痛
に悩む人は、自分のその痛みの根本原因が何かを理解した上で使ってもらいたい」と、情報提供サイトを開設した。第１類医薬品は薬剤師が店頭で書面での情報提供を行う必要もあるため、副作用の現れ方などをより分かりやすく表現したリーフレットも配っている。薬効の強いとされる薬をうまく使うためにも、情報を活用したいところだ。

　　　　　　　
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【用語解説】スイッチＯＴＣ

　医師の処方箋（せん）を元に処方される医療用医薬品に使われる成分を、一般の薬局?薬店で買える一般用医薬品として大衆薬（ＯＴＣ）に転用したもの。スイッチＯＴＣ化された解熱鎮痛剤は、昭和６０年のイブプロフェン以来。

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引用元:Perfect World rmt